生みそ中の酵素による
分解の実証実験

みそが栄養と味に加え、体調を整えたり病気を予防する機能を持つ「機能性食品」と呼ばれたり、食材の旨みを引き出す「みそ漬け」をつくることができるのは、すべてみそに含まれる、いきた「酵素（米麹由来）による分解」「酵母による発酵」の働きによるものです。しかし、残念ながら現在市場に出回るみそは、酵母の過発酵によるパッケージの膨張や破裂を防ぐため、出荷前に加熱処理などによって酵母菌が殺菌されてしまったみそが多いようです。みその機能は、そこに含まれるいきた酵素と酵母の働きによるものですから、「機能性食品」と思って皆様が手にされているみそは、実は本来のちからも旨みも失われた本物のみそではないということも考えられるのです。

そこで今回、当社みその酵素の働きを、簡単な実験で目で見て分かる様にしました。

だし入りみそは
便利かもしれませんが…

昨今よく目にする「だし入りみそ」は一見、だしが加わり、より美味しいみそのようにも思えますが、実はこの「だし入りみそ」は、みその酵素がいきていると、加えただし等の調味料の旨みを分解してしまい、だしを入れた意味がなくなってしまうのです。そこで、酵素の働きをなくすために加熱処理をします。加熱するので、本来みそ中で生きている酵母菌も死んでしまった、いわば「死んだみそ」なのです。しかし、酵母や酵素のないみそに仕立ててしまう「加熱処理」に関しては、パッケージへの表示義務はないため、消費者は売り場に並ぶ商品を一瞥して、それを判断することはできないのです。

無添加と書いてあるのに
いきていないみそがあるの？

「無添加」とはアルコールなどの食品添加物が入っていないことを表す言葉ですので、「加熱殺菌の有無」には関係ありません。したがって、パッケージに無添加みそと表示されていても、加熱殺菌されているみそは、酵母や酵素がいきた生みそではないのです。