おみそはきれい好き
私たちマルモ青木味噌の一日は、清掃にはじまり、清掃に終わります。それは私たちのみそを召し上がってくださるお客さまひとりひとりへの感謝。そしてみそを育む酵母や酵素、そしてこの長野の素晴らしい風土への感謝の証でもあります。
みそづくりとは子育てのようなものと、繰り返し申し上げてまいりましたが、私たちが、よいみそづくりにおいてできることは限られています。
厳選した原料の調達とその研ぎ出し。そして工場の大釜から煮あがった大豆をつぶし、米麹と塩をまぜあわせる。しかし、そこから先は、温度と湿度でさまざまにその働きを変える酵母という小さな命たちに委ねるしかないのです。
すべてはお客さまの安心と、
酵母をいかすために
そこから先に私たちができることは、みそ樽の中の発酵が均一に進むように「天地返し」など限られたことだけで、後はみそづくりの立役者である酵母たちが、より働きやすい環境を整えてあげることだけです。だから私たちは、酵母たちが存分にちからを振るえるようにするために、工場の中の環境を守ること。そして工場を取り巻く、この長野の大地の環境を守ることにこだわります。
工場の中の環境を守ることは、衛生環境を整えること。すなわちきれいであることです。おみそはきれい好きなのです。工場の中、蔵の中が汚れていたり、乱雑だったりすると、おみその発酵を妨げる要因になります。また、原料の入荷から製造・出荷までのすべての工程において万が一の事態を予測し、重要なポイントを継続的に監視・記録を行うことで異常が認められた場合にも、即対策を講じられるHACCPシステムを運用することで、安全なおみそづくりを行っています。
(平成19年には食品衛生優良施設として厚生労働大臣の表彰を受けています。)
徹底した有機と
循環型ものづくりへのこだわり
有機JAS認定工場の認定を受けているため、工場内では化学薬品は使用できません。また、工場敷地内の除草にも農薬を使わず人手で行います。そして一日の大半を費やす工場の機械や器具の清掃・洗浄も洗剤を使わず、すべて水とお湯だけで行うなど、社内すべてで有機へのこだわりを徹底しています。
一方、工場の外の環境への取り組みとしては、おみそ造りの過程で出る汚泥や大豆・米の残渣を、長野市の飯綱山麓にある「いいづなお山の発電所」で、バイオマス発電の燃料にしたり、堆肥化するなど、資源の再利用化も推進しています。そしてここで発電された電気は、当社でみそ造りのエネルギーとして利用されたり、堆肥は近隣の農家にお分けし、そこでお作りいただいた農作物を加工して製品作りに生かしたりしています。また、大豆を脱皮したときに出る大豆皮は飼料やキノコ培地に活用するなど、循環型のものづくりに積極的に取り組んでいます。